Kyosuke Kubo
CNE1職員
今回は、久々のスタッフブログにして特別企画!実はCNE1って英語を学んでいる日本人の生徒様だけが滞在している訳ではありません。CNE1には日本で働くことを夢見るフィリピン人向けに、 CNE1とパートナーの八戸学院グループ(HGG)が率いる、フィリピン初の“高度人材・全奨学金制度付きの日本語トレーニングセンター”を設置しています。
フィリピンのトップ大学の中で選ばれ、難関面接を突破した6名のフィリピン人生徒が第1期生として現在半年間の日本語トレーニングを受けています。彼らは今年の4月から複数の日本のIT会社で就職する予定です。
彼らは日本企業からの奨学金を受けているので、その恩をしっかりと返したいという気持ちが強く、日々努力しています。
日本では昨年、入管法改正案が成立となり、外国人労働者の受け入れ拡大を目指しています。労働環境、日本人の賃金・雇用への影響、悪質ブローカーの存在が危惧される中、日本で働くことがすでに決まっているフィリピン人青年が考えていることとは?
今回は6人の内の1人、Enzo(エンゾ)さんにインタビューをしてみました!
▲Enzoさん
ENZOさん: トレーニング開始から4ヵ月がたち、だんだん話せるようになりました。
ENZOさん: 両親がITコースを勧めてくれたのが大きいです。正直、最初は*犯罪学を学びたかったんですけど、結果的にはITを選びました。犯罪者を扱う環境より、パソコンを扱う環境の方が自分に合っていると思いました笑
でもそれよりも産業の統計を見たときにITに関わる仕事は世界中でたくさんあると知りました。将来的な成長性がありますし。
*犯罪学(Criminology): このコースを専攻し卒業した後は、警察官になるのがフィリピンでは一般的。
ENZOさん: 教授達はとてもサポートしてくれましたし、僕がいた大学は学ぶ環境が整っています。それは自分のモチベーションにも繋がったので、ソフトウェア開発者を志しがんばりました。
ENZOさん: いや、日本で働くなんて夢にも思ってなかったです。教授からCNE1/HGG高度人材プログラムを聞いた時は、ビックリしました。
実際、「自分には日本で就職なんて、とても難しいものではないか。」と思いましたが、一方で「挑戦したい!」と思う引き金にもなりました。僕はチャレンジすることが好きなので。日本文化はとても魅力があり、おもしろいと思っていた理由もあります。
ENZOさん: 自分にとって大きな挑戦ができる場所であれば、フィリピンであろうと海外であろうと関係ありません。チャレンジがあればあるほど、「挑戦したい!」と意欲が生まれます。
そして“新たな言語を学んで、日本企業に就職する”という、このスーパーチャレンングなプログラムに出会って、「ぜひ挑戦したい。」と思いました。
大学でこの高度人材プログラムの説明会を開いた時、あなたが参加していたことを覚えています。説明会の内容を聞いてどう感じました?
▲CNE1/HGG高度人材プログラムの説明会に参加するEnzoさん(中央手前)
ENZOさん: 最初は、「本当なの?」と疑っていました笑 CNE1での日本語トレーニング期間は、平日毎日8時間の授業料に加え、部屋、食事、掃除・洗濯、光熱費等が全て日本企業からの奨学金によってカバーされていますから。
ENZOさん: 一部はとても興奮していましたし、一部はすごく疑っていました。フィリピンでは海外で働いたはいいけど、ブローカーに就職の手続きによって生じた多額の借金を返済しなければならないケースも多々あるので。
だから「自分も海外就職に関しては、より一層気を付けないといけない。」と自覚していました。 でもどんな道を選んでもリスクはつきものです。
僕の母は、シンガポールで勤めていた経歴もあるので、このプログラムについて相談した時は、「トライしてみなさい。」と背中を押してくれ、僕も再度「挑戦してみたい。」と思えたので参加を決めました。
説明会後、Enzoさんは最終面接にまでたどり着きました。日本企業が実際にフィリピンにいらして、直接面接を行いましたよね。最終面接では自信はありましたか?
ENZOさん: 自信は多少ありましたが、とても緊張しましたね。一方で、日本企業の面接担当者の方々が、企業の説明やサポートについて詳しく説明してくださいましたので、その企業に対して信頼を持つことができました。
ENZOさん: びっくりしたと同時に、とても幸せな気分になりました。実はあるフィリピンのIT会社から「面接を受けないか?」とリクエストがありました。でも僕はこの日本企業との面接を通して「この会社でチャレンジしたい。」と思い決断しました。
▲日本企業との最終面接を受けるEnzoさん
そういえばEnzoさんは面接で、「できるだけ長く日本で働きたい。」とおっしゃっていましたよね。なぜですか?フィリピンに戻りたいとは考えないのですか?
ENZOさん: 今でもその考えは変わりません。フィリピンで就職したとしても経済的な厳しさは現実的にたくさんあります。自分だけでなく、家族を支えていかないといけないので、日本で働けるのであればできるだけ長く働きたいです。それは自分のスキルアップにも繋がると考えています。
ENZOさん: 状況によります。今はその日本企業での就職しか考えていません。たとえ仕事を辞めフィリピンに戻ってきたとしても、企業が私をまた求めてくださるのであれば、また日本で働きたいと思うかもしれません。
採用が決まり、CNE1でトレーニングを始める前に、ひらがなをできるだけ覚えるようお伝えしていたと思います。数週間と時間が無かったのに、Enzoさんはトレーニング初日の、ひらがなのテストで満点を取りましたよね笑
ENZOさん: はい。大学のインターンプログラム中、休憩時間があればひたすら覚えていました。自分が就職する企業に自分のヤル気を信用してもらいたかったですし、企業は私に奨学金としてたくさんの投資をしてくれています。ですので「結果を出さなければいけない。」と思い、がんばりました。
▲CNE1で日本語トレーニングを受けるEnzoさん
ENZOさん: CNE1の施設は十分に綺麗で、ごはんもすごく美味しいので生活は満足です。 テストがある日や、授業内容が100%理解できない時は多少ストレスを感じますが、質問をすれば先生は正確に説明してくれますし、問題ありません。
特にクラスメイトはとても大切な存在です。お互い困ったことがあれば頼り合っています。大学時代はあまり話さなかった生徒もいますが、今では良き仲です。
ENZOさん: リスニングは特に良くなってきていると実感があります。今ではなんとなくですが日本人が言っている内容が理解できるようになりました。努力が報われていると思うと嬉しいです。
ENZOさん: はい。色んな日本人の方に会うことができるので楽しいです。今では日常生活でも日本人の生徒の方と話したりするので、国際交流をキッカケに良い関係を築けていると思います。
▲CNE1 Language Exchange Club(国際交流)に参加するEnzoさん(中央奥)
ENZOさん: 全てが新しい環境になると思うので多少の恐さはあります。海外に行くこと自体初めてになりますし。ですが全体的にはかなり楽しみにしています!そのために今、日本語の勉強をたくさんしなければなりません。今の課題は、文章をきちんと作ることなのでがんばります。
ENZOさん: 日本食に挑戦したいです!寿司、刺身などの生ものを食べてみたいですね。フィリピンでも日本食は食べたことはありますけど、やっぱり現地で本物のお寿司を食べてみたいです。
お話しを聞いている限り、Enzoさんは日本という国自体には大きなこだわりは無いと感じました。
彼のこだわりは国ではなく、“自分が挑戦したいと思える企業”なのかなと。
彼が今年の4月から勤める日本企業様は、Enzoさんの人生を考慮し、CNE1でのトレーニング期間中も遠隔から彼をサポートして下さっています。Enzoさんも企業からのサポートに応えるべく、人一倍努力をし日本語のトップ成績を残し続けています。
外国人労働者受け入れ拡大を急速に進めている日本では様々な問題が指摘されています。改正案によって生まれた新在留資格は、高度人材には直接的な関係性はありませんが、国の受け入れ体制が整うのを待つのではなく、しっかりとサポートできる日本企業と、真面目で意欲がある優秀なフィリピン人高度人材をマッチさせるのが最善の策でかつ効率的だと思います。
それを叶えているのが、CNE1/HGG外国高度人材育成プログラムです。
4月には第二期生がCNE1で日本語トレーニングを開始します。
Enzoさん達の日本での活躍が大変楽しみです。
この記事を読んで下さった皆さん、そしてCNE1スタッフブログにご協力頂いたEnzoさん、誠にありがとうございました!
Kyosuke Kubo
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